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古今和歌集 TOP
> 10. はるやとき 花やおそきと ききわかむ 鶯だにもなかずもあるかな
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春が来たのに花が咲かないのはどういうことだと判定したいのに、
鶯さえも鳴かないよという歌。
「ききわかむ」の「む」を終止形にすると、
「聞き分けよう。あれ?鶯さえも鳴いていないぞ」というように
上の句と下の句の間に間(ま)ができる。(三句切れ)
他方、「む」を連体形とすると、
「聞き分けるための鶯さえも鳴いていないな」となる。
春の初めに詠んだ歌
(「む」を終止形とした場合)
春が来るのが早すぎるのか、花が咲くのが遅すぎるのか、
聞き分けてみよう。(あれ?)鶯さえも鳴いてすらいないぞ
(「む」を連体形とした場合)
春が来るのが早すぎるのか、花が咲くのが遅すぎるのか、
聞き分けるための鶯さえも鳴いてすらいないぞ
藤原言直
同じ音の繰り返しが、リズムと歌全体のすっきり感を醸し出している。
上の句で二者択一かと思いきや、下の句で鶯が出てきて、3者が見合うことになり面白い。
個人的には(個人的なサイトですが)、終止形として考えたほうが好きである。
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