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はるやとき 花やおそきと ききわかむ 鶯だにもなかずもあるかな



分析
はるやとき 花やおそきと ききわかむ 鶯だにもなかずもあるかな 分析



解釈

春が来たのに花が咲かないのはどういうことだと判定したいのに、
鶯さえも鳴かないよという歌。

「ききわかむ」の「む」を終止形にすると、
「聞き分けよう。あれ?鶯さえも鳴いていないぞ」というように
上の句と下の句の間に間(ま)ができる。(三句切れ)

他方、「む」を連体形とすると、
「聞き分けるための鶯さえも鳴いていないな」となる。




歌意

春の初めに詠んだ歌

(「む」を終止形とした場合)
春が来るのが早すぎるのか、花が咲くのが遅すぎるのか、
聞き分けてみよう。(あれ?)鶯さえも鳴いてすらいないぞ

(「む」を連体形とした場合)
春が来るのが早すぎるのか、花が咲くのが遅すぎるのか、
聞き分けるための鶯さえも鳴いてすらいないぞ

藤原言直




感想

同じ音の繰り返しが、リズムと歌全体のすっきり感を醸し出している。
上の句で二者択一かと思いきや、下の句で鶯が出てきて、3者が見合うことになり面白い。
個人的には(個人的なサイトですが)、終止形として考えたほうが好きである。



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