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古今和歌集 TOP
> 28. ももちどり さへづる春は 物ごとに あらたまれども 我ぞふり行く
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春が来れば、自然界のものはみな新たな命を芽吹いて若返り、1年も新しく始まるけれども、
自分は1年がたったので、その分年を取ってしまっているということ。
世間は春が来て喜んでいるけれど、我に返ると自分はね…という少し孤独を感じる歌。
物毎にを自然界だけに限る必要はないと思うので、人間界で1年ごとに改まるものも歌意に入れました。
題不明
沢山の様々な鳥がさえずる春は、
(自然界の)いろいろなものが新しいものになり、年も改まるけれども、
私だけは年取って古くなっていくよ。
詠み人知らず
楽しい春の喧騒の中、自分の中だけは取り残されているという、
自分の心の中にぽっかりと暗闇がある感じがする。
最後の句で、取り残され感をぽそっと伝えてきている。
一人死んでいくことを考えただろうから、取り残され感は辛いと思う。
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