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古今和歌集 TOP
> 31. はるがすみ たつを見すてて ゆくかりは 花なきさとへ すみやならへる
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春霞なんてきれいなものが立っているというのに、
去って行ってしまう雁は花のない殺風景な場所のほうが居心地がいいに違いないと想像した歌。
帰る雁を詠んだ歌
春霞の立つのを見捨てて行ってしまう雁は、
花のない里に住み慣れているのだろうか
伊勢
伊勢さんは「こう考えるのよね」という考えを詠むことの多い方で、
「こう感じる」とはあまり詠まない気がする。
女の人なのに、変わっている気がする。
なんというか、
この歌も、「雁が帰って行ってしまって、
残念ねぇ」というようには読みにくいのである。
事実を淡々を詠むことで浮き上がる感情というものもあるはずなのだが、
「確かにそう考えられるよね」という感想が一番先に思い浮かんでしまう。
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