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春ごとに ながるる河を 花と見て をられぬ水に 袖やぬれなむ



分析

春ごとに ながるる河を 花と見て をられぬ水に 袖やぬれなむ
分析



解釈

川の水に映った花の姿を本当の花と思って折ろうとしても折れないで、
みんな袖が濡れてしまっているにちがいないのよという歌。

現実には、川に映った梅の花を本当の花だと思うことはないだろうけれど、
それくらい川に映ったその花は美しいものだと詠んでいる。

毎春と書いてあるので、
挑戦しては失敗する人が続出している様子を想定しているのではないかと思います。
(袖が誰のかですが、男女ともにか、男性のみかでもちょっと読み方は変わると思います。)

水に映った様子が、それくらい美しいということを表現したいのだと思います。




歌意

水のほとりに梅の花が咲いていたのを詠んだ歌

1)みんなの袖とすると
春が来るたびに、流れる川の方(に映っている花を)を本当の花と思って、
折ることのできない水(の花)に(みんなの)そでが濡れているんじゃないかしら

2)殿方の袖とすると
春が来るたびに、流れる川の方(に映っている花を)を本当の花と思って、
折ることのできない水(の花)に(殿方の)そでが濡れているんじゃないかしら

伊勢





感想

なんだか、理屈が先走っているようにも感じられるのですが、
「自分の手に入れられない花もあるわよ」と
男の人たちを諫めていたら、「怖いな」と思うけれども、

こういう空想の中で、
綺麗な花、手折られない花として
この花の美しさの程度を表現しているなら
「あっぱれだな」とも思えます。




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