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古今和歌集 TOP
> 45. くるとあくと めかれぬものを 梅の花 いつの人まに うつろひぬらむ
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梅の花からずっと目を離さないでいたはずなのに、いつの間にか散ってしまっていたという、
人の意識の間隙による意外さを詠った歌。
梅の花を好んで鑑賞していたはずなのに、その関心を裏切るように、
気が付かない間に散ってしまったという心のぽっかり空いた感じを詠んでいる。
家にあった梅の花の散ったのを詠んだ歌
日の暮れる間も夜が明ける間も梅の花から目を離さなかったのに
いつの人が見ない間に花が散ってしまったのだろう
紀貫之
梅の花に裏切られた感が漂っているはずだけれども、
一歩引いて客観視しているところがいいと思われる。
(梅の花に夢中になっていた自分から離れて客観視できないと
こういう歌は詠めないと思われる)
客観視することで、自分の思うようにならない自然に対するフラットな態度が見えていい。
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