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梅がえにきゐるうぐひす はるかけてなけどもいまだ雪は降りつつ



分析
梅がえにきゐるうぐひす はるかけてなけどもいまだ雪は降りつつ 分析



解釈

詠み人知らずというのは、名前を書くほど身分の高くない人か、
天皇にお咎めを食らった人である。
鶯というのをお咎めを食らった本人だとすると、
天皇の怒りが解ける春を待ち焦がれているが、
未だ天皇の怒りは解けない(本人にとっては辛い季節の冬)というようになる。
そうすると梅の枝というのは何らかの形で天皇の耳に入るような位置ということになるだろう。



歌意

題不明

梅の枝に来ている鶯が
春を心に強く思って(呼ぶように)鳴いているけれども、
未だ雪は降り続けている

詠み人知らず

(鶯を作者だとすると)
天皇さまの怒りが解けてくれる春を心に強く願って、
天皇さまに聞こえるように許しを乞うているけれども、
未だ天皇さまの怒りは解けず辛い時期を過ごしています



感想

雪だというのに鶯が来たのを単に詠んだだけだとすると、
「そりゃ、春は早く来てほしいよね、鶯だって待ってるんだし」と思って終わる。
梅と雪と鶯の組み合わせはきれいだと思うけれど。
が、お咎めを食らった人の悲痛な叫びだとすると、
結局名前なしになって、誰の願いかわからない状態で天皇の耳に入っても意味ないし、
辛いだろうけれどむなしいなあと思う。
(勅撰和歌集の歌に選ばれるためには、
自薦、他薦があったろうけれど、どちらだったのだろう)
一世一代の許しを乞うた歌だったかもしれない。
それにしても、お咎めを食らった人の歌まで勅撰和歌集に入れて、
天皇の耳に入れてしまうのはすごいと思う。



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