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山たかみ 人もすさめぬ さくら花 いたくなわびそ 我見はやさむ



分析

山たかみ 人もすさめぬ さくら花 いたくなわびそ 我見はやさむ
分析



解釈

里にある桜の花は沢山の人が目にして、
美しいと褒めたたえる声が桜の花に良く聞こえるだろうけれど、
一転して人の目につかない桜の花はどうなのよという歌。
人がいようがいまいが、素晴らしく咲き誇るであろう桜の花を
作者一人でもピーピーと褒めたたえるぞと言っている。

後ろの注には、
本来「山が高くて人里から遠いために人が心にとめて深く愛さない山桜の花よ」という意味を
上の句の17文字の中に入れたいけれど、
「人里」が入ると「花」が抜けるし、
「花」を入れると「人里」が抜けるしで、
困ったのよという気分が表れている。
山の桜というのはどっちのパターンにも入っているので、
木々の中にポツンと咲いている桜のイメージは抜きたくなかったということになる。




歌意

題不明

山が高いために、人が心にとめて深く愛さない桜の花よ。
ひどく思い悩んではいけない。
私(だけでも)見褒めそうじゃないか(ピーピー)

詠み人知らず
または、里が遠いので人が心にとめて深く愛さない山桜の花よ




感想

素晴らしい実力と美貌を持っていながら、条件が悪いために、人に褒められない桜の花に対して、
「自分一人だけでも褒めたたえて愛するぞ」と言っている素敵な歌だと思う。
他人の評判など気にせずに自分自身の軸で評価し
味方となり応援団となるのは、勇気があるしいいと思う。




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