>
古今和歌集 TOP
> 7. 心ざしふかくそめてし折りければ きえあへぬ雪の花と見ゆらむ
<
前
次
>
雪の降る日(降った日)に
歌を詠んだ相手に「枝を折って」と頼まれて、
枝を折ったときの歌と推測される。
相手との関係性が不明なので、2つの解釈が成り立つ。
「心ざしふかくそめてし」を
愛情をこめたとするか、注意深くとするかで解釈が変わる。
「きえあへぬ」の解釈が、
時間がたってもまだ雪が融けていないとなるか、
折ったときに雪が落ちなかったとなるかに変化する。
題不明
(「心ざしふかくそめてし」を愛情深く込めたとすると)
あなたに対する愛情を深く深く込めて枝を折りましたので、
(折って部屋に入れてから時間がたっても)まだすっかり融け切らない雪の花のように思われます
(雪が残っているのは愛情が深いせいなのです)
(「心ざしふかくそめてし」を注意深くとすると)
注意深く注意深く枝を折りましたので、
(折るときの衝撃で)落ちきってしまわなかった雪が花のように見えます。
(上手に折れたでしょう)
詠み人知らず
ある人の言うことには前の太政大臣(藤原良房)殿の歌です。
すっかり消えてしまうという言葉一つで意味が変わるのは面白いと思う。
どっちの解釈にしても、相手に対する愛情があり、スマートにアピールしていると思う。
<
前
次
>
>
古今和歌集 TOP
> 7. 心ざしふかくそめてし折りければ きえあへぬ雪の花と見ゆらむ