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16.分数の割り算は「なぜひっくり返してかける」の?(再考)
小学生編の2番
で“分数で割るときは、ひっくり返して割ればいい”ということを説明した。
このとき、こういう考え方をした人はいないだろうか。
分数の分母は割る数のことで割り算と掛け算は反対だから、
割るの割るで掛け算になるんじゃないかと。
これは本当に正しいのかな。
割り算掛け算は結構繊細で、
こういう議論が成り立たない場合(ベクトルとか、行列とか)があるんだ。
数字1つを数字1つで割ったり、
かけたりするときは、反対みたいな動きをするんだけどね。
結論から言うと、÷(÷5)という表現はしないし、そういう概念もない。
だから、上の議論は間違い。
でも、今までそういう風に考えて、計算問題を解いて、〇をもらってきている人がいると思う。
どういうことなんだろうか?
「〇をもらってこれているから、その計算方法は正しい」というのは、
君の経験に基づく判断で、
経験則
と言われる。
次の問題でそのやり方で正しいという保証が本当はないんだ。
問題になっているところを具体的に例を挙げて整理する(きちんと文字にすれば証明とできる議論です)と、
例えば、
に関して考えることにしよう。
だから、
ということだ。
赤字の部分が正しければ、2つめの=が正しいし、
赤字のところが間違っていたら、2つめの=が間違っているということになるのだけれど、
小学生編の2番の議論を用いると、下のようになる。
一番左の辺と一番右の辺が等しいことになったね。
だから、かっこの前に割るがあって、かっこの中に割るがあるときに、
かっこを外すと、かっこの中の割るをかけるにしていいんだ。
わかったつもりで、きちんとわかってないことは証明すればいい
ということの例として挙げてみた。
理解しているつもりだけれど実際はあやふやなものが沢山沢山あって、
そこを突き詰めてきちんとわかるようにすると、新天地が拓けることが多々あるんだ。
数学者の人たちはさっきの=が正しいかというようなことを、
一生懸命きちんと明らかにするということをやっている。
面白いと思ったら、ガンガン、数学をやるといい。
しっかり正しく考える基礎体力がつくと思うよ。
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