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3.数学の「相」って何? 


ズバリ、「2つの対等な〜に関して互いに互いを」ということです。
これだけでは、何が何だかわかりにくいので、よく使われる事例を挙げると、
「相異なる」とか「相等しい(相等)」とか「相足し合わせる」とか「相かけ合わせる」というように使います。
普段僕たちが日常で使っている言葉はこれらの言葉から「相」という文字を取り除いた
「異なる」とか「等しい」とか「足し合わせる」とか「かけ合わせる」という言葉を使っています。

例えば、「あの子はクラスの他の子と違うよね」というように使うとき、
「1人」と「その子を除いたクラス全員」と比べています。
しかし、これは結果論で、比べるとき
僕たちは、「1人対1人」で比べるという操作をしています。
その子を除いたクラス全員に対して1人1人総当たりで、その子と比べた結果、
「その子を除いたクラス全員と異なる」と結論付けているのです。

ポイントは「比較する」という動作をするとき、
2つの物をお互いに比べることしか、僕たち人類はできないということです。
そのため、根本原理にまで戻って、正確に考えると
「お互い異なる」、つまり「相異なる」という言葉になるのです。
比較した結果、異なれば、「相異なる」だし、
等しければ、「相等しい(熟語にすると相等)」となります。
ちなみに、2つのどっちからどっちを見ても対等なものに対してのみ、「相」は使えます。
(対等とは、互いに比べようとする2つのものは、どっちからどっちを見ても同じ、対称な操作をするということです)

きちんと書くと、僕たちは2数(2つの数字)を比べるとき、
正確には「2つの対等な数に関して互いに互いを比べる」という動作をしています。
ここまで、意識的にきちんと考えずに「比べる」という言葉を使ってきたかもしれません。
コンピュータで数字の大小を比べるとき、基本的には、やっぱり、2数ずつ比べています。

さて、「足し合わせる」のと「かけ合わせる」はどうでしょう。
例えば、3+5+7という計算をしましょう。
3つ足し合わせるという動作をしているのですが、その動作を事細かに見てみると、
3+5を最初にした後で、+7をすることになります。
足し算は順番を変えられるので6通りの足し合わせ方がありますが、
どの場合も2つの数字を選んで足し合わせた後に、残りの数字を足しています。
(残りの数字を足し合わせるときも、前の計算の結果である数と足し合わせているので、2数を足し合わせています)
足し算では2つの数字を足し合わせることしかできないので、
「それぞれを足し合わせる」ということになり、正確には「相足し合わせる」という言葉になります。
足し合わせる2つの数字はお互いに対等なので、「相」を使います。

「かけ合わせる」も足し合わせると同様に、2つの対等な数字の互いに互いをかけ合わせるので、
正確には「相掛け合わせる」という言葉になります。

ただし、互いに対等な2数に対して、「相」という言葉を使うので、引き算、割り算では用いることができません。

数学では、間違いや曖昧さがないように正確に考えるので、
このように用いる言葉も正確な概念を表す言葉になります。
正確に考える訓練をするために、「相」という言葉を好きになってあげましょう。




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