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6.点と直線の距離の公式を図で考えると(教科書じゃない別解編)
ズバリ、三角形の相似を使って求めるんだ。
よく暗記しちゃうんだよね、公式として。
まず、問題を確認しよう。
「直線ax+by+c=0 (a, b, cは全ての実数,x, yは全ての実数)と、
点(x
1
, y
1
) (x
1
, y
1
は全ての実数)の距離は
と表される。」
だね。
図を使うのだけれど、三角形の相似を使いたいんだ。
だから、a, bはともに0でないときをまず考えよう。
とりあえず、直線をこんな風に引こうと思う。
(aもbも0でないから)
a, b, cについて、正の数か負の数かは気にしたくないので、
x軸を省略する。
(x軸があると、x切片とy切片が正か負か議論せねばならなくなるので。)
右肩下がりのグラフでも議論は同じなので、こっちで。
直線の下側に点(x
1
, y
1
)を置くことにする。
(図ではx
1
>0になってしまった。
0以下でも同じ議論が成り立つので省略。y軸があると便利なんだよね。
↑について、別の考え方があるので、えいやーと正においてしまって大丈夫 )
すると、
直線と点の距離とはこのdの大きさのことを言っている。
ここで式をしっかとみると、
どうも与えられた直線にx
1
, y
1
が代入されているんだけれど、
なんだろうなあと思うんだよね。
ここでね、
点(x
1
, y
1
)は与えられた直線上にないので、
ax
1
+by
1
+c
は0にならないんだ。
0にならないだけで、=0と書かない限り、
別に悪いことはしていない。
0になるためには、定数項が違うだけなので、
平行移動の直線のことを示しているように見える。
(
5.直線の方程式の定数項って何?
参照。)
ということで、
比較対象として、
点(x
1
, y
1
)を通って、
傾きが同じ平行な直線を引いてみよう。
(とりあえず、手を動かして様子を探るのはアリだよね)
平行線だから、新しく引いた直線のy軸との交点から、元の直線に垂線を下すと、
長さはdになる。
三角形ができたね。
この三角形は、直線とx軸、y軸に平行な直線で囲まれているから、
の三角形と相似なはずだ。
(ここで三角形を使いたいから、a、bが0だと困るんだよね。)
ちなみに、a、bは負の数の場合もあるので、絶対値にすることは大事。
2つの三角形は印を付けた頂点が対応している。
となると、斜辺の長さを知りたいねぇ。
y座標の差で出そうだね。
困ったことにc
1
がわからないのだけれど、
新しい方の直線上に
点(x
1
, y
1
)
は乗っているから、
代入したら=0が成り立つ。
a、b、x
1
、 y
1
がわかっているから
c
1
は直線の方程式からわかるね。
よって、
となり、
y軸との交点のy座標は
となる。
印を付けた三角形の斜辺の長さは、
となる。
よって、三角形の相似から辺の比がわかるので、
。
絶対値の掛け算がついているので、場合分けをして詳しく検討すると、
となる。
今回はy軸との交点のy座標の差を用いて証明したけれども、
平行な2直線なので、y軸に平行な直線であれば、
どの直線を使っても同じ議論が成り立つ。
全ての点の左側に直線を置くことができるので、
直線の下側に点がある場合については、この議論で十分。
直線の上に点がある場合は、練習問題として、各自解くと良い。
・例題として、点(x
1
, y
1
)が
直線上にあるときについて、
ax
1
+by
1
+c
の値を考えて解いてみよう。
また、aまたはbが0である場合に、
が成り立つか、確認しよう。
この式で表現できるか、確認する。
a=0、bが0でないときを考える。
グラフの下側に点(x
1
, y
1
)があるとき、
図はこうなる。
距離dは直線のy座標とy
1
との差になり、
以下のようになる。
と、このように
とa=0のときに同値になるように変形していくと、
と、なることがわかったので、成立することが証明された。
b=0のときは、各自、自分で試してほしい。
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