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根本の根って? 〜わかったつもりをやめよう〜
この世のありとあらゆることを君はわかっているかい?
わかってないって君は答えると思う。
僕はそれでいいと思う。
わからないものはわからない。わかることはわかる。
ちゃんと区別することがとても大切なことだと僕は思うから。
わからないことをわかったつもりで、
とりあえず「阿吽の呼吸」なーんて言って相手に合わせる必要なんてない。
例えば、学校の教室で授業を受けているときに、
先生が君のわからないことを言った。
でも、そこがわからなくても、
やり方を聞いたらなんとなく問題は解けてしまった。
ところで、わからないのは「妖怪のせい」なんだろうか。
いいんだ。
わからないことは妖怪のせいにしてもいいとは思う。
昔から日本人は説明の付かない感覚、わからないものなどの茫洋としたものに
妖怪という目鼻をつけて物語をあてはめていったから。
知らないことは根本的には僕たちにとって怖いことなんだ。
それについての僕の考えはまた別のところで述べることにする。
僕は妖怪がこの世にいるかもしれないという考え方には賛成だ。
ただ、君にとっての妖怪はみんなにとっての妖怪なんだろうか。
みんなにとっての妖怪もちょっと考えたり、調べたり、確かめたら本体の本質がわかって、
妖怪じゃなくなるってことがある。
僕はこの「根本の根」でわかったつもりだけど、
本当はわかってない、腹の底からわかったと思えないことを
いくつか例を挙げて明らかにしたいと思う。
さっきの例の、授業を聞いてわからないけれど、
なんとなく問題が解けてしまってわかった気になっているのは、
腹の底からわかったことになってない。
ということは、「わからないな」と思っているところは
君の頭の中に妖怪が住んでいるということになる。
すっきりさせて悪いことはない。
わかったつもりで、本当はわかってないことは怖いんだ。
世の中には怖い人がいる。
君をあわよくばだましてお金を取ろうなんて思う人もいないことはないんだ。
それが現実だ。
そう思って、予防するのが被害に遭わない第一歩だしね。
そういう詐欺をしようとする人は君のどこにつけ込むと思う?
わかっていると思いこんでいて、本当はわかっていないことなんだ。
自分はわかってると思っているから、油断している。
対策も講じられないから、そこに大きな隙ができる。
例えば、「オレオレ詐欺」なんてのは、みんなが「わかっているはず」と思っている親子間に付け入る隙を見つけてくる。
大人になった子供を親がよく知らない、
子供の方も親が何しているか知らない、というのが隙になっている。
親子だからお互いのことはよくよく知ってるはずだよね。
でも、本当はお互いに思い合って意志疎通をしていないと、
お互いに相手の行動を把握しきれなくて(例え子供が小さくても)、
相手のことがわからないんだ。
だから、「俺」っていう言葉にだまされる。
だます方は「俺」って言ってるだけで、
「あなたの子供」とは言ってない。
「俺だよ、誰だかわかるだろ」って言ってるのかもしれないけれど、
親御さんの方はそんな奴を知ってる筋合いがないんだから、
「あんたなんか知らない」と答えられないといけないんだ。
それを勝手に自分の子供と思いこむ。
おかしいはずなんだ。
ちゃんと考えないといけない。
わかっているつもりはつけ込まれる大きな穴、隙になる。
他に根本を理解した方がいい理由は、
クリエイティブな人になるためには、
根本がわかってないとできないらしいからなんだ。
受験勉強は誰かのやり方を表面的になぞるだけでできるかもしれない。
本当はわかってないから、やっていることは丸暗記だね。
実はそれで東大に入れてしまうことも確かなんだ。
ただ、それから後が困る。
大学受験までは参考書は安く沢山出回ってる。
塾もたくさんある。
それに、集団授業でわからないときは、個人授業の教室や先生が沢山いる。
それに、最大の理由は大学受験には範囲がある。
広いように思えるかもしれないけれど、大人の社会、この世界に比べれば範囲は圧倒的に狭い。
だから、微にいりさいにいり対策をとれて、全部暗記できてしまうから、
暗記で対応できない問題を落としてしまっても合格最低点をクリアできてしまう。
でも、その後、誰がアンチョコを作ってくれるんだろう。
どうやって考えたらいいんだろう。
そうやって困ってしまう人も多いんだ。
つまり、大学受験がその人の人生最大の花ってことになってしまう。
人のまねをすることしかできない人になる。
だけど、みんな一人一人に脳味噌がついているんだ。
誰かのまねをしなくてはいけない理由はない。
最初はまねて学ぶことが重要だけど、
最終的には君自身の考えで行動したいじゃないか。
まだこの世にない新しいものを作ることだってできる。
新しいものを作るためには、
いろいろな考え、いろいろな物事を根本からわかってないといけない。
そうでないと、それらを使いこなして、
適切に組み合わせたり、改良したりできないから、
難しくなってしまうんだ。
僕は塾の先生をしてきた。
少しでも頭の中の君だけの妖怪がいなくなるといいと思う。
ここで上げる例がみんなの疑問の全てじゃないだろうけれど、
授業してきた中で、そこもう一声分わかるとよくわかるだろうなと感じてきたことを
「根本の根」で説明しようと思う。
本当にわかるってこういうことだって気づいて貰えたら嬉しいけれど、
とにかく楽しく読んでもらえると嬉しい。
高久 真生