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うぐひすの谷よりいづるこゑなくば 春くることをたれかしらまし



分析
うぐひすの谷よりいづるこゑなくば 春くることをたれかしらまし 分析



解釈

雪がまだ残っているであろう渓谷からどこからともなく聞こえてくる鶯の声である。
山の上よりも、谷のほうが山肌に反射して山の奥の声が響きやすい。
これがなかったら、春じゃないよという歌。

5句目のかを疑問にすると、意味が似ているけれども、弱いので反語。

注)
寛平元年(889年)〜寛平5年(893)の間に宇多天皇の母后班子女王が主催の歌合。1巻。




歌意

寛平の御時に、后様のご主催なさった歌合の歌

渓谷から響き出る鶯の声がなかったならば、
春が来るということを誰が知るだろうか、
いや誰も知るまい。

大江千里




感想

初春の美しいものあるあるシリーズを作ったら、入れたい光景。
(お題ありきの歌合なので、そういうものも求められていたと思う)
雪のまだ残る渓谷の奥から、どこからともなく聞こえてくる鶯の声。
声と共に春がやってくるのだ。
綺麗だと思う。




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