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古今和歌集



English Edition of Kokin-wakashu page

<目次>
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巻第一 (春歌上)
1. としのうちに春はきにけり ひととせをこぞとやはいはむ ことしとやいはむ 在原元方
2. 袖ひぢてむすびし水のこほれるを 春立つけふの風やとくらん 紀貫之 2018.07.19追記
3. 春霞たてるやいづこ みよしののよしのの山に雪はふりつつ 詠み人知らず
4. 雪のうちに春はきにけり うぐひすのこほれる涙 今やとくらむ 二条后
5. 梅がえにきゐるうぐひす はるかけてなけどもいまだ雪は降りつつ 詠み人知らず
6. 春たてば花とや見らむ 白雪のかかれる枝にうぐひすぞなく 素性法師
7. 心ざしふかくそめてし折りければ きえあへぬ雪の花と見ゆらむ 詠み人知らず
8. 春の日のひかりにあたる我なれど かしらの雪となるとわびしき 文屋康秀
9. 霞たち このめもはるの雪ふれば 花なきさとも 花ぞちりける 紀貫之
10. はるやとき 花やおそきと ききわかむ 鶯だにもなかずもあるかな 藤原言直
11. 春きぬと 人はいへども うぐひすのなかぬかぎりは あらじとぞ思ふ 壬生忠岑
12. 谷風にとくるこほりのひまごとに うちいづる浪や 春のはつ花 源當純
13. 花のかを風のたよりにたぐへてぞ 鶯さそふしるべにはやる 紀友則
14. うぐひすの谷よりいづるこゑなくば 春くることをたれかしらまし 大江千里
15. 春たてど花もにほはぬ山ざとは ものうかるねに鶯ぞなく 在原棟梁
16. 野辺ちかくいえゐしせれば うぐひすのなくなるこゑは あさなあさなきく 詠み人知らず
17. かすがのは けふはなやきそ わか草の つまもこもれり 我もこもれり 詠み人知らず
18. かすがのの とぶひののもり いでて見よ 今いくかありて わかなつみてむ 詠み人知らず
19. み山には 松の雪だに きえなくに 宮こはのべの わかなつみけり 詠み人知らず
20. 梓弓 おしてはるさめ けふふりぬ あすさへふらば わかなつみてむ 詠み人知らず
21. 君がため 春ののにいでて わかなつむ わが衣手に 雪はふりつつ 光孝天皇
22. かすがのの わかなつみにや 白妙の 袖ふりはへて 人のゆくらむ 紀貫之
23. はるのきる かすみの衣 ぬきをうすみ 山風にこそ みだるべらなれ 在原行平朝臣
24. ときはなる 松のみどりも 春くれば 今ひとしほの 色まさりけり 源宗于朝臣
25. わがせこが 衣はるさめ ふるごとに のべのみどりぞ いろまさりける 紀貫之
26. あをやぎの いとよりかくる 春しもぞ みだれて花の ほころびにけり 紀貫之
27. あさみどり いとよりかけて しらつゆを たまにもぬける 春の柳か 僧正遍昭
28. ももちどり さへづる春は 物ごとに あらたまれども 我ぞふり行く 詠み人知らず
29. をちこちの たづきもしらぬ 山なかに おぼつかなくも よぶこどりかな 詠み人知らず
30. 春くれば かりかへるなり 白雲の みちゆきぶりに ことやつてまし 凡河内躬恒
31. はるがすみ たつを見すてて ゆくかりは 花なきさとへ すみやならへる 伊勢
32. 折りつれば 袖こそにほへ 梅の花 有りとやここに うぐひすのなく 詠み人知らず
33. 色よりも かこそあはれと おもほゆれ たが袖ふれし やどの梅ぞも 詠み人知らず
34. やどちかく 梅の花うゑじ あぢきなく まつ人のかに あやまたれけり 詠み人知らず
35. 梅の花 たちよる許 ありしより 人のとがむる かにぞしみぬる 詠み人知らず
36. 鶯の 笠にぬふといふ 梅の花 折りてかざさむ おいかくるやと 源常
37. よそにのみ あはれとぞ見し 梅の花 あかぬいろかは 折りてなりけり 素性法師
38. 君ならで 誰にか見せむ 梅の花 色をもかをも しる人ぞしる 紀友則
39. 梅の花 にほふ春べは くらぶ山 やみにこゆれど しるくぞありける 紀貫之
40. 月夜には それとも見えず 梅の花 かをたづねてぞ しるべかりける 凡河内躬恒
41. 春の夜の やみはあやなし 梅の花 色こそ見えねかやはかくるる 凡河内躬恒
42. 人はいさ 心もしらず ふるさとは 花ぞムカシのかにほひける 紀貫之
43. 春ごとに ながるる河を 花と見て をられぬ水に 袖やぬれなむ 伊勢
44. 年をへて 花のかがみと なる水は ちりかかるをや くもるといふらむ 伊勢
45. くるとあくと めかれぬものを 梅の花 いつの人まに うつろひぬらむ 紀貫之
46. 梅がかを そでにうつして とどめてば 春はすぐとも かたみならまし 詠み人知らず
47. ちると見て あるべきものを 梅の花 うたてにほひの そでにとまれる 素性法師
48. ちりぬとも かをだにのこせ 梅の花 こひしき時の おもひいでにせむ 詠み人知らず
49. ことしより 春しりそむる さくら花 ちるという事は ならはざらなむ 紀貫之
50. 山たかみ 人もすさめぬ さくら花 いたくなわびそ 我見はやさむ 詠み人知らず
51. やまざくら わが見にくれば 春霞 峰にもをにも たちかくしつつ 詠み人知らず
52. 年ふれば よはひはおいぬ しかはあれど 花をし見れば もの思ひもなし 藤原良房
53. 世の中に たえてさくらの なかりせば 春の心は のどけからまし 在原業平朝臣
54. いしばしる たきなくもがな 桜花 たをりてもこむ 見ぬ人のため 詠み人知らず
55. 見てのみや 人にかたらむ さくら花 てごとにをりて いへづとにせむ 素性法師
56. みわたせば 柳桜を こきまぜて 宮こぞ春の 錦なりける 素性法師
57. いろもかも おなじむかしに さくらめど 年ふる人ぞ あらたまりける 紀友則
58. たれしかも とめてをりつる 春霞 たちかすらむ 山のさくらを 紀貫之
59. 桜花 さきにけらしな あしびきの 山のかひより 見ゆる白雲 紀貫之
60. み吉野の 山べにさける さくら花 雪かとのみぞ あやまたれける 紀友則
61. さくら花 春くははれる 年だにも 人の心に あかれやはせぬ 伊勢
62. あだなりと なにこそたてれ 桜花 年にまれなる 人もまちけり よみ人しらず
63. けふこずは あすは雪とぞ ふりなまし きえずはありとも 花と見ましや 在原業平朝臣
64. ちりぬれば こふれどしるし なき物を けふこそ さくら をらばをりてめ 詠み人知らず
65. をりとらば をしげにもあるか 桜花 いざやどかりて ちるまでは見む 詠み人知らず
66. さくらいろに 衣はふかく そめてきむ 花のちりなむ のちのかたみに 紀有朋
67. わがやどの 花見てがらに くる人は ちりなむのちぞ こひしかるべき 凡河内躬恒
68. 見る人も なき山ざとの さくら花 ほかのちりなむ のちぞさかまし 伊勢


巻第二 (春歌下)
69. 春霞 たなびく山の さくら花 うつろはむとや 色かはりゆく 詠み人知らず
70. まてといふに ちらでしとまる 物ならば なにを桜に 思ひまさまし 詠み人知らず
71. のこりなく ちるぞめでたき 桜花 ありて世の中 はてのうければ 詠み人知らず
72. この里に たびねしぬべし さくら花 ちりのまがひに いへぢわすれて 詠み人知らず
73. 空蝉の 世にもにたるか 花ざくら さくと見しまに かつちりにけり 詠み人知らず
74. さくら花 ちらばちらなむ ちらずとて ふるさとの人の きても見なくに 惟喬親王
75. 桜ちる 花の所は 春ながら 雪ぞふりつつ きえがてにする 承均法師
76. 花ちらす 風のやどりは たれかしる 我にをしへよ 行きてうらみむ 素性法師
77. いざさくら 我もちりなむ ひとさかり ありなば人に うきめ見えなむ 承均法師
78. ひとめ見し 君もやくると 桜花 けふはまち見て ちらばちらなむ 紀貫之
79. 春霞 なにをかくすらむ 桜花 ちるまをだにも 見るべき物を 紀貫之
80. たれこめて 春のゆくへも しらぬまに まちし桜も うつろひにけり 藤原因香朝臣
81. 枝よりも あだにちりにし 花なれば おちても水の あわとこそなれ 菅原高世
82. ごとならば さかずやはあらぬ さくら花 見る我さへに しづ心なし 紀貫之
83. さくら花 とくちりぬとも おもほえず 人の心ぞ 風も吹きあへぬ 紀貫之
84. 久方の ひかりのどけき 春の日に しづ心なく 花のちるらむ 紀貫之
85. 春風は 花のあたりを よぎてふけ 心づからや うつろふと見む 藤原好風
86. 雪とのみ ふるだにあるを さくら花 いかにちれとか 風のふくらむ 凡河内躬恒
87. 山たかみ みつつわがこし さくら花 風は心に まかすべらなり 紀貫之
88. 春雨の ふるは涙か さくら花 ちるををしまぬ 人しなければ 大伴黒主
89. さくら花 ちりぬる風の なごりには 水なきそらに 浪ぞたちける 紀貫之
90. ふるさとに なりにしならの みやこにも 色はかはらず 花はさきけり 平城天皇
91. 花の色は かすみにこめて 見せずとも かをだにぬすめ 春の山かぜ 良岑宗貞
92. はなの木も 今はほりうゑじ 春たてば うつろふ色に 人ならひけり 素性法師
93. 春の色の いたりいたらぬ さとはあらじ さけるさかざる 花のみゆらむ 詠み人知らず
94. みわ山を しかもかくすか 春霞 人にしられぬ 花やさくらむ 紀貫之
95. いざけふは 春の山辺に まじりなむ くれなばなげの 花のかげかは 素性法師
96. いつまでか 野辺に心の あくがれむ 花しちらずは 千世もへぬべし 素性法師
97. 春ごとに 花のさかりは ありなめど あひ見む事は いのちなりけり 詠み人知らず
98. 花のごと 世のつねならば すぐしてし 昔は又も かへりきなまし 詠み人知らず
99. 吹く風に あつらへつくる 物ならば このひともとは よぎよといはまし 詠み人知らず
100. まつ人も こぬ物ゆゑに うぐひすの なきつる花を をりてけるかな 詠み人知らず
101. さく花は 千くさながらに あだなれど たれかははるを うらみはてたる 藤原興風




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