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6.なんで円周率をπにするの?
ズバリ、3.14よりも正しく表せるから。
世界中でしのぎを削って、円周率の計算をしているらしいので、
πの値として知られている正確な桁数はわかりませんが、
小数点以下が永遠に続く数と思っておけばよろしいです。
(12兆桁以上らしいといううわさはあるけれども)
高校生編の17.有効数字って何?でも説明しているけれども、
数学で使う数字は、例えば5と言ったら、
100兆の100兆倍の小数点の桁の値も、
その先もずーっと0でないといけない。
つまり、3.14と言ったら、3.140000000000000…
と言ったことになる。
これは正しいことを言ったとは言えない。
3.14159 26535 89793 23846 26433 83279 50288...と続いていく円周率の正確な表現じゃないし、
人類は永遠に小数点以下の数字が続いていくであろう円周率の正確な値を知らない。
だけれども、半径0.5cmの円周の長さをπcmと言えば、
これは間違いではなくなる。
「正確に表現するために、不正確な表現を避ける」という
「不正確なことを言わない」スキルのうちの1つが使われているんだ。
ただ、この疑問を持つ人はそういうことに引っかかっているわけではないと思うんだ。
例えば、半径5の円の円周の長さが
5x2x3.14=31.4
というとなんとなく数字で大きさがわかった気にはなる。
だけれども、半径1の円の5倍の大きさという感覚はない。
また、半径1の円の円周の長さは2πなんだけれども、
半径5の円は10πで5倍の大きさというように、
基本の円に対して、どれだけの大きさなのかを
比較することができるようになるんだ。
そういう視点が付け加わっていることを理解すると、
必要性がわかるかもしれない。
2017.10.06 英語版での改良にあわせて変更を加えました。